2001年04月27日
酢酸の価格是正、アジアの1Q分の決着が遅れ
PTAメーカーが強く抵抗、2Q分とのセットでの交渉に
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:昭和電工、ダイセル化学

 アジア地域における酢酸の価格是正の交渉がこれまでになく難航している。BPケミカル、セラニーズ、ダイセル化学工業、昭和電工など酢酸各社が今年1~3月期の納入分についてもさらに底上げしたいとしているのに対して、PTAメーカーなど需要家各社が強く抵抗しているため。
 酢酸のアジア地域の価格は過去1年半にわたり各四半期単位で連続的に引き上げられてきた。その結果、かつてはトン当たり380ドルどころに低迷していたリストプライスが昨年第4・四半期には平均同590ドルまで改善されてきている。酢酸各社はこれをさらに同30ドル引き上げたいとしてかねてから各ユーザーと交渉しているところ。
 これは、ナフサに加えて主原料のメタノールの価格も昨年末以降急騰してきたことによるもの。同期のメタノールの価格は、前年同期の2倍のトン当たり250~260ドルに跳ね上がっている。北米における天然ガスの多くがクリーンエネルギーとして発電用に振り向けられ始めたことによって需給が一気に逼迫したことが直接の引き金。現在は一時の過熱状態から脱却しているが、それでもなお以前の価格の2倍強のレベルにある。
 しかも今後これがかつての水準に戻る可能性はほとんどなく、またもう一方の原料のナフサも高止まりが続くというのが関係者に共通した見方となっている。このため酢酸各社は今後も引続きねばり強くユーザーを説得していく構えにある。第2・四半期分とセットにしての交渉に切り替えられることもありそう。