2009年04月13日
酢酸のアジア市況が急騰
需給の逼迫でトン460〜500ドルに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 アジア地域における酢酸のスポット相場が急騰してきた。最大消費国である中国向けの直近のCFR価格は安値でトン460ドル、高値は500ドルとなっている。

 3月末の相場は360〜370ドルであったので、2週間で100〜140ドル上がったことになる。短期間でこれだけの幅の値上がりはきわめてめずらしいケース。

 急騰を招いている最大の要因は、BPのマレーシア工場、セラニーズのシンガポール工場、YARACOの中国工場など大手酢酸メーカーの量産工場がメカニカルトラブルや原料不足などで相次いで大幅な操業短縮に入ったことでアジア地域全体の需給バランスが一気にタイト化してきた点にある。特に影響が大きいのは、トップメーカーのBP・マレーシアの年産50万トンプラントの不調で、現在もCOガス供給設備のトラブルによって操業率は50%にとどまっていると伝えられる。
 同工場の回復が遅れると、5〜6月にはわが国の共同酢酸などによる定修がいくつか集中する見通しもあって逼迫にさらに拍車がかかることになりそう。