2009年04月14日
三菱化学・インドのPTA増設設備がオイルイン
5月末か6月早々の営業運転入りを目指す
【カテゴリー】:経営(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学のインドのPTA企業「MCC・PTAインディア」が先に増設したPTAの大型プラントは来週早々にもオイルインすることになった。2月末に完工したあと水運転しながら入念なチェックを重ねてきたが、設計通りの良好な結果が得られたため次のステップとして原料PX(パラキシレン)を使用しての試運転に移行することにしたもの。営業運転の開始時期は5月末か6月はじめとなる見通し。

 今回完成した増設プラントの設備能力は年80万トン。既存の第1系列と合わせた同社の総設備能力は127万トンとなる。三菱化学グループ全体の総設備能力(QTAを含む)は、松山の25万トン、インドネシアの64万トン、韓国の170万トン、中国の60万トンの合計446万トンとなる。
 
 インドでは同社のほかにリライアンスが同200万トン、IOC(インド石油)が同40万トンのPTA設備を稼動中。うちリライアンスは年間およそ150万トンを自消しているので外販量は約50万トン前後となっている。MCC・PTAインディアは、海外の姉妹会社の製品を使ってのこれまでのプレセールスによって増設後も引き続き高率稼動を維持していけるだけの安定市場を確保できているという。したがって、今回の増設でMCC・PTAインドは外販メーカーとしては断トツの地位を占めることとなりそう。

 PTAの需要は、一時期の低迷から脱して最近はアジア各地でポリエステル繊維向けを中心に再び順調に拡大しつつある。特にインドでの成長率は高く、このため同国内のPTA3社ともフル稼働してなお需要に対応しきれないでいるという。