2009年04月20日
東ソーのVCM輸出価格、4月分は570ドルに
5ヵ月振りの下降だが5月分は改善の見通し
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:東ソー

 東ソーによるVCM(塩ビモノマー)の4月の中国向け輸出価格(CFR価格)は、トン当たり570ドルに引き下げられることがこのほど決定した。3月の価格を30ドル下回ることになる。
 
 同社のVCMの中国向け輸出価格は昨年11月の400ドルをボトムに毎月底上げされ、3月分は600ドルの大台に乗った。ところが4月に入ると、米国や台湾の大手PVC(塩ビポリマー)企業が中国に余剰品を大量に振り向ける行動に出たことで同国内のPVCの需給が一時的に緩和。それに伴いVCMの同国内価格も下降に転じて同社も輸出価格の引き下げを余儀なくされるに至ったもの。
 
 もっとも、同国のPVCの需要自体は引き続き好調であり、またカーバイド法製品の供給量が引き続き低水準にとどまっていることもあって5月の需給バランスは再び均衡状態に戻るというのが最近の関係者に共通した見方となっている。同社も同様の判断であり、したがってVCMの輸出価格も5月にはPVCの市況の回復に連動して改善できると予想している。