2009年04月20日
BZのスポット価格、アジアで続騰
韓国のFOB価格、先週末には635ドルに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 BZ(ベンゼン)のアジア地域におけるスポット相場が依然として上昇を続けている。大手商社筋の調べによると、最大の輸出国である韓国の先週末のトン当たりのFOB価格は635ドルとなっている。最大の輸入国である中国のCFR価格は655ドル前後まで上がっている。4月のACP(アジア地域のコントラクトものの価格)を115ドル上回っている。

 4月早々の中国のCFR価格に比べると、110ドル強上がったことになる。1ヵ月前に対比すると170ドルもの値上がりとなる。最近ボトムの昨年12月上旬の2.3倍となっている。

 続騰の要因は、日本ならびに中国の石油精製企業と石油化学企業の減産の継続に伴うアジア地域全体の需給の逼迫にある。石油精製企業の減産はガソリンならびに軽油の需要減に、また石油化学企業の減産は主要誘導品の国内需要の縮小にそれぞれ対応してのもの。うち石油化学企業の減産率は4月に入って小幅になっているものの、なお稼働率80%台にとどまっているので、BZ不足を補うに至っていない。

 しかもアジア地域では、日本をはじめとした各国の石油精製企業の間で5月から6月にかけて定修を実施するところが相次ぐ見通しにある。このため関係者の多くは、BZ不足が一段と深刻になり、スポット相場がさらに上がっていくのは避けられないと判断している。5月のACPも再度の引き上げが必至と見られる。