2009年04月21日
PSの生産・出荷量、3月も前年割れ
ただし前月比は全てが増加に転じる
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が21日に明らかにしたところによると、PS(ポリスチレン)の3月の生産と出荷の実績はいずれも前年同月の実績を下回った。
 
 生産は36%減で12ヵ月連続の前年同月割れとなった。平均稼動率は50%ていどになったと想定されている。一方の出荷は20%減で8ヶ月連続の前年同月割れとなった。
 出荷のうち国内向けは19%減で8ヶ月連続の、また輸出は27%減で7ヵ月連続のそれぞれ前年同月割れとなっている。国内向け出荷は、全ての需要分野向けが引き続き前年同月を下回っている。消費量が最も大きい包装用は10%減にとどまっているが、電機工業用が48%もの縮小となって引き続き全体の足を引っ張っている。電機工業用は9ヶ月連続の、雑貨・産業用は8ヶ月連続の、包装用とFS用はともに7ヵ月連続の前年同月割れで、ともに不振が長期化している。
 
 この結果、1〜3月期の実績は生産が前年同期比44%減、出荷が同27%減となった。出荷のうちの国内向けは26%減、輸出は47%減となっている。国内向け出荷は5期連続のマイナス成長となった。デジタル家電向けの大幅な落ち込みが強く影響している。

 もっとも、このうちの3月の実績は2月の実績に対して生産も国内向け出荷も輸出もすべてが増加している。生産は22%増、国内向け出荷は30%増、輸出は82%増、出荷合計は31%増といずれも大幅な伸びを遂げている。

 この点について、この日、定例の記者会見に臨んだ水谷茂・同工業会会長(PSジャパン社長)は「3月の実績は、2月だけでなく1月の実績に対してもかなりの増加となっている。どうやら生産も出荷も2月がボトムとなった感じだ」と指摘、次いで、4月以降の動向に話を移して「出荷は国内向けも輸出も底を脱して少しずつ回復に向かっていくと見る。4〜6月期の総出荷量は1〜3月期を10%から15%上回るのではないか。稼働率は70%を超えることになろう」と述べ、わずかながらも明るい兆しが見えてきたと述べた。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1240365321.pdf