2009年04月24日
三井化学、BPAとACも対中輸出価格を是正へ
BPAはトン1,200ドル、ACは850ドルを目標
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、PH(フェノール)と同様にBPA(ビスフェノール-A)とAC(アセトン)についても中国向けの5月の輸出価格を底上げすることにした。
 
 BPAの場合は、CFR価格をトン100ドル上げて1,200ドルとする。ACについては同70ドル高の850ドルに引き上げる考え。
 
 いずれも、出発原料のBZ(ベンゼン)とプロピレンのアジア市況の急騰分を転嫁することを目的としたもの。PHの対中輸出価格は70ドル引き上げて900ドルとすることにしており、今週明けから需要家ならびにディストリビュータ各社と折衝中。BPAとACについてもこれから交渉に入る。
 
 BPAもACも中国の国内需要は、在庫調整がここにきてほぼ完了したことから回復傾向にあるという。
 その一方、日本、韓国、シンガポールといった対中輸出国や中国のフェノールチェーン企業の間では5月から6月にかけて定修のためPHやBPAの設備を運休するところが相次ぐ見通しにある。三井化学の調べによると、この間に運休となるPH設備は、千葉フェノールの年産23万トン、三井化学・シンガポールの30万トン、三菱化学の25万トン、韓国・錦湖の34万トン、中国・高橋石化の20万トンの各プラント。これに伴い併産のACと誘導品のBPAの生産量も自ずと縮小する。
 したがって、アジア地域の向こう2ヶ月の需給バランスはかなり逼迫する公算が濃厚で、採算確保のため価格是正に取り組む同社などフェノールチェーン各社に取っては絶好の追い風となる。