2009年04月27日
SMの中国向け価格が反落、1000ドルの大台割れ
原料安が影響、ただし一時的との見方も
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 4月上旬以降高値に張り付いていたスチレンモノマー(SM)の中国向けスポット価格が先週半明けを境に反落している。
 
 わが国SMメーカー筋によると、直近の中国のCFR価格の平均はトン970ドル弱で、先週明けの平均価格を同42〜43ドル下回っている。およそ2週間ぶりの同1,000ドルの大台割れとなった。
 
 最大の要因は、ベンゼン(BZ)とエチレンの極東におけるスポット相場の軟化にある。さらに言えば、原油とナフサの国際スポット相場の下降が引き金になっているということになる。
 
 ただし、中国のSMの需要は、PSとABSの家電向けの増産に伴って引き続き好調を維持している模様。しかも、5月から6月にかけてはアジア地域ではSMメーカーの定修による運休が相次ぐ見通しにある。4月から継続して運休となる見込みのものを含めると、主なものだけでも韓国・LGの年産50万トン、台湾・FCFCの同30万トン、シンガポール・エルバの同56万トン、中国・SECCOの同50万トン、三菱化学の同37万トン--等が挙げられる。
 加えて、日本の石油精製企業の春の定修もこれから本番入りとなる見通しだ。このためわが国のSMメーカーや大手商社の中には、極東のスポット相場の最近の下降は一時的な現象と捉える向きも少なくない。