2009年04月27日
積水化学工業、米国企業からの中間膜原料の事業買収
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:積水化学工業

 積水化学工業(根岸修史社長)は27日、新たに設立予定の子会社が、米国化学会社Celanese Corporation(セラニーズ コーポレーション、CEO:David N. Weidman、本社:テキサス州)のグループ会社からポリビニルアルコール樹脂(PVA樹脂)事業を買収することを決めたと発表した。

 設立する子会社は、米国とスペインに2009年5月に設立予定。事業譲渡は2009年6月の予定、譲受け価額は約US3百万ドル(約168億円)。2008年12月期実績の売上高は、US6百万ドル。

 積水化学の高機能プラスチックスカンパニー(プレジデント:松永隆善氏)では、合わせガラス用中間膜の事業を戦略事業としグローバルに展開、特に自動車向けの中間膜は世界で42%(2008年、同社推測)のトップシェアをもつ。2010年度の事業目標はグローバルシェア44%を目指す。

 中間膜は、ポリビニルブチラール樹脂(PVB樹脂)を製膜化して製造するが、PVB樹脂の原料であるPVA樹脂事業を買収することで安定的な原料供給体制を構築、需要地生産の促進、原料面での技術シナジーの発揮など、サプライチェーンの強化になる。

 自動車向け中間膜事業は、アジアの自動車生産台数の増加、自動車1台あたりのガラス面積の大型化で生産量が拡大している。日本や欧米での車内快適性向上のニーズにあわせて開発した、遮音膜、遮熱膜、遮音・遮熱膜など高機能中間膜の需要も順調に拡大、同社の遮音膜は、世界の新車の7台に1台の割合(2007年度、同社推測)で採用されている。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1240817167.pdf