2009年04月28日
中野・出光興産新社長が会見「未達の中計目標早期達成に全力」
【カテゴリー】:経営(人事/決算)
【関連企業・団体】:出光興産
後任社長に内定した中野和久氏

 出光興産は28日、天坊昭彦社長の会長就任と中野和久副社長昇格の記者会見を開いた。

 はじめに、天坊社長が今回の社長交代を決めた背景について「念願の株式上場を実現し、またこの3月に第2次中計の終了時期も迎えて区切りがついたことから交代を決意した」と説明。次いで、後任に中野副社長を選んだ理由を「かつて一緒に石油開発に従事したときから明るい性格と優れた判断力や行動力、さらには部下からの信頼も厚い点に注目してきた。副社長としてすでに2年の経験も積んでおり、厳しい環境の中でも社長として立派に責務を果たしていける人物と確信して後を託すことにした」と、新社長に寄せる信頼感の強さを述べた。

 一方、中野副社長は「昨年12月に打診されたときは、当社が創立100周年を迎える2011年までは天坊さんに社長を続けていってもらいたいと考えていたので固辞した。しかし石連会長を兼務していくのは大変とお聞きしたので、大役をお引き受けすることにした」とこれまでの経緯を紹介。そして「いまは具体的な抱負を述べるタイミングでない」としたうえで「環境の急変で第2次中計は十分に達成できていない。したがって、早急に当初の目標をクリアすることが私の第一の使命といえる」と述べ、まずは当面の業績改善に注力したい意向を表明した。また、今後目指すべき出光興産の姿についての質問に「総合エネルギー企業としての発展にとどまらず、石油化学分野でも特異な技術を活用して成長分野を切り開いていくようにしたい」と答え、付加価値製品でも強力な基盤を構築していきたい考えを示した。