2009年04月30日 |
ポリオレフィンの輸入、急速に縮小 |
3月もピークの1月を大幅に下回る |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計) 【関連企業・団体】:なし |
ポリオレフィンの月間輸入量が2月に続いて3月も低水準にとどまった。過去1年以上にわたって拡大を続けてきたポリオレフィンの輸入だが、2月に入ると急ブレーキがかかり、そして営業日数が2月より10.7%多かった3月も2月とほとんど同じ規模となった。 L-LDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PP-H(ポリプロピレンホモポリマー)、PP-C(ポリプロピレンコポリマー)の全てが最近のピークの1月の通関数量大きく下回っており、ポリオレフィン関係者はポリオレフィンの輸入が完全に峠を越えたと判断している。 これら各種ポリオレフィンの3月の輸入通関数量は、L-LDPEが11,327トン、HDPEが2,346トン、PP-Hが4,709トン、PP-Cが5,603トンとなっている。最近のピークの1月の実績に対比すると、LDPEは24.0%減、HDPEは74.0%減、PP-Hは38.6%減、PP-Cは62.1%減ということになる。 樹脂によってばらつきが大きいとはいえ、どの樹脂も急拡大から急速な縮小へと転じている様子がはっきり浮き彫りとなっている。 この要因は、韓国、タイ、サウジアラビアなどこれまで対日輸出に積極的であった国々が中国の需要の回復と中国向け価格の上昇を睨んで対中輸出の拡大に再び多くのエネルギーを傾注するようになってきたことと、日本国内の樹脂価格が四半期ごとにナフサ価格の下降見合いで下がってきたため国内の需要家の間に国産品回帰の動きが活発になってきたことにあると見られる。 大手商社の中には、3月の輸入分の多くは今年1月から2月にかけての契約分で、3月に入ってからの契約は極めて少量にすぎないと述べる向きが多い。このため、4月の入着量は一段と縮小する公算が強い。 |