2009年05月11日 |
樹脂の中国向け輸出、3月も大幅増 |
中国依存度が6樹脂全て一段と拡 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計) 【関連企業・団体】:なし |
汎用樹脂の中国向け輸出(香港向けを含む)が3月はさらに拡大、6品目全てが前年同月の実績を上回った。なかでも伸び率が高いのはポリオレフィン各樹脂で、LDPEは3.5倍、HDPEは3.2倍、PPホモポリマーは1.8倍、PPコポリマーは2.8倍となっている。PVCも22.2%増とこれまでにない高い伸びを遂げている。長期にわたって前年同月割れを続けていたPSも3月は2.8%増えて、8ヶ月振りの前年同月超えを果たしている。 総輸出量もPSを除く5品目が前年同月を上回っている。しかし伸び率は中国向けを大きく下回っており、中国に対する依存度が一段と拡大している様子が浮き彫りとなっている。各樹脂の総輸出量に占める中国向けの構成比は、LDPEが74.8%で前年同月比29.6ポイントアップ、HDPEが66.6%で同16.6ポイントアップ、PP-Hが73.7%で同20.1ポイントアップ、PP-Cが60.1%で同19.7ポイントアップ、PSが84.9%で同18.8ポイントアップ、PVCが74.3%で同7.4ポイントアップとなっている。 1〜3月期の累計でもPSを除く5品目は中国向けが前年を大幅に上回っている。中国に対する依存度は、3月同様に軒並み大幅に底上げされている。 これは、汎用樹脂に対する中国の国内需要が同国政府の景気刺激策の展開で順調に回復してきたことに加え、わが国の汎用樹脂各社が年度末を控えて在庫の縮小を目的にこれまでない思い切った輸出拡大策を取ってきたことによるもの。 この結果、多くの樹脂メーカーが3月末の在庫量をほぼ狙い通りの規模まで縮小できたと見られている。しかも4月に入っても中国からの引き合いは引き続き活発で、前年同月を大きく上回る数量を成約できたというところが多い。 ただし、中国の引き合いの中には先高を予想しての前倒し発注分がかなり含まれていると見られる。加えてポリオレフィンの場合は、6月に入ると中東から大量に中国に持ち込まれる公算が濃厚でもある。したがって今後は、汎用樹脂業界全体に取って国内の新規市場の開拓が一段重要になってくる。 【関連ファイル】 https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1242019434.xls |