2009年05月11日
出光興産・三井化学「千葉地区における生産最適化」検討開始
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:出光興産、三井化学

 出光興産と三井化学の両社は11日、両社の強みを活かした「千葉地区における生産最適化」について検討を開始すると発表した。両社は2004年の包括提携いらいプライムポリマーの設立や石油コンビナート高度統合研究組合(RING)事業への参画など、競争力の充実を図ってきたが、さらに一歩踏み込んだ「生産最適化」を実現させることにした。
 
 両社の千葉地区のエチレン生産能力を合わせると約100万トン(出光37.4万トン、三井55.3万トン)となり、わが国全体の約13%を占める。「企業の垣根を越えて一体的運用を図ることにより、100億円の効果を実現したい」(天坊昭彦・出光興産社長)としている。
 
 具体的な検討内容として、以下の4点を挙げた。
(1)両社ナフサクラッカーを中心とした生産最適化
(2)出光・千葉製油所のリファイナリー装置も含めた生産最適化
(3)すでにJVで運営しているポリオレフィン、フェノール以外の誘導品の生産最適化
(4)生産最適化にあたっては、有限責任事業組合(LLP)制度の活用を検討

【天坊昭彦・出光興産社長】
 燃料油の国内需要は今後も当分減少傾向が続くと予想されており、当社としては北海道、千葉、愛知、徳山の4つの製油所をどう運営していくかが重要課題となる。一方、石化事業は千葉と徳山で展開しているが、これも中東地区での新増設や中国での自給率向上により、今後はアジアを中心に市場の悪化が懸念されている。日本からの輸出も減少すると予想される。両社が千葉地区で一層の生産効率化と最適化を図るのは非常に有意義だ。
 
【藤吉建二・三井化学社長】
 中国・中東の新増設計画もあって、競争が厳しくなるのは確かだ。わが国石化業界は製品の輸出比率が20%以上と高いだけに、厳しい状況は今後も続くと思う。私たち両社は競争力の点ですでに相対的に優位にあるが、さらに一歩踏み込んでトップクラスの競争力をもつセンターを目指したい。留分のやり取りや生産を効率よくやり、100トンのクラッカーを一体的に運用していくことで、勝ち残っていきたい。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1242027656.pdf