2009年05月14日
旭化成ケミ、ANの輸出価格を引き上げへ トン1,300ドルで中国の需要家と交渉開始
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 旭化成ケミカルズは、AN(アクリロニトリル)の5月の中国向け輸出CFR価格をトン1,300ドルに引き上げることにして同国の需要家各社と交渉を開始した。4月の価格は同1,100ドルで3月の価格に対しては200ドル高となったが、5月はさらに200ドル引き上げることにしたもの。4月に続いて5月も対中価格を引き上げることにしたのは、原料のプロピレンとアンモニアの国際価格が続騰して従来の価格では採算を確保できなくなってきたため。

 中国のANの需要は、大手需要家の在庫調整がほぼ完了したことに加えて、同国政府の緊急景気刺激策の展開によって家電用ABS向けやアクリル繊維向け等の消費が回復基調をたどりはじめたため拡大しつつある。同社の今回の値上げが中国側に受け入れられる素地は十分整っているというのが関係者の共通した見方となっている。