2001年04月25日
田代VEC会長「4~6月期も明るさ見えない」
設備縮小と定修期入りで「在庫に影響はない」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:東ソー、塩ビ工業・環境協会

 VEC(塩ビ工業・環境協会)の田代圓会長(東ソー社長)ら首脳は25日の定例会見で、塩ビ業界の現状や今後の見通しなどについて語った。
 まず1~3月の樹脂の生産量が前年比94.9%とマイナスになったことについて、「電線向けを除き軟・硬質用とも内需が減少したが、一般景気の低迷が響いたと思う。輸出が回復したのは中国の買いが増えたためだが、先行きの見通しは立て難い。4~6月は現状より厳しいと見るべきだろう」との認識を示した。ただ、生産設備は昨年から30万トン近く縮小しているうえ、メーカー各社は定修期に入るため、在庫への影響はないとみている。
 
 また、米国や欧州の塩ビ業界の動向について、「米国は昨年後半から景気の減速によって市況が崩れていたが、年明けからもち直し、2月頃から値が戻ってきた。3月もポンド3セント上昇した。4月は不透明だ。これに比べると欧州は堅調が続いている」。と説明した。
 さらに最近原料ナフサ価格が高止まりしている点について、「ナフサ価格はいぜん先行きが見えないが、高値のところで動くようなことがあればコストにプレッシャーがかかる。どう転嫁するかを迫られるところも出てくるのではないか」との懸念を示した。
 
 ほかに「小泉総裁誕生への期待は」との質問が出たが、田代会長は「経済政策はもちろん大事だし大いにやってもらいたいが、それより政局の一日も早い安定の方が重要と思う。まず安定させ、その上で経済の方向を示してほしい」と答えた。