2009年05月20日
カネカ、コエンザイムQ10のパーキンソン病患者への臨床研究を開始
順天堂大学医学部脳神経内科と共同臨床研究
【カテゴリー】:新製品/新技術(ファインケミカル)
【関連企業・団体】:カネカ

 カネカは20日、順天堂大学医学部脳神経内科の服部信孝教授と共同で、還元型コエンザイムQ10のパーキンソン病患者に対する臨床研究を4月から開始したと発表した。
 
 米国では、酸化型コエンザイムQ10がパーキンソン病の進行を遅延させるとの報告が行われ、現在これを用いて第3相試験が実施されている。 還元型コエンザイムQ10は、空気中で簡単に酸化されるが、カネカではすでに安定化技術の開発に成功している。
 
 還元型には、酸化型よりも幅広く優れた生理活性が期待できる。 順天堂大学医学部は日本のパーキンソン病研究で中心的な役割を果たしており、今回、世界で初めて還元型コエンザイムQ10による臨床研究に着手したことになる。
 
 今後はパーキンソン病の初期および進行期の患者を対象に、疾患進行の遅延や治療薬剤による副作用の軽減などについて治験を行う予定という。
 
■用語の解説
 酸化型・還元型コエンザイムQ10とは:従来サプリメントで使われているコエンザイムQ10は、空気中で安定な酸化型(ユビキノン)であり、摂取した後、体内で還元酵素により還元型(ユビキノール)に変換されて使われていた。
 
 ユビキノールは体のあらゆる臓器、細胞に存在し、細胞のミトコンドリアではエネルギー産生の重要な因子として働くことが明らかとなっている。最近の研究で、体内での還元能力は加齢、病気等の酸化ストレスにより低下することが立証された。
 
 還元型コエンザイムQ10は、直接還元型として利用されることから、還元能力の低下した中高年、高齢者の健康維持への貢献が期待できる。
 
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1242797786.pdf