2009年05月20日
VCMの4月の出荷も前年同月比3.2%増と好調
国内向けの不振を輸出の大幅増がカバー
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会が20日に集計したところによると、VCM(塩ビモノマー)の4月の生産量と出荷量はともに引き続き順調な伸びとなった。総出荷数量は前年同月比3.2%増の239,258トン、また総生産量は同5.6%増の262,792トンとなっている。
 
 うち出荷は、昨年12月まで13ヶ月連続して前年同月を下回ったあと一転して4ヶ月連続の前年同月超えとなった。生産は4ヵ月連続の前年同月割れのあと同じく4ヵ月連続の前年同月超えとなった。
 もっとも国内向け出荷は引き続き不振で、同14.6%減の128,691トンにとどまった。17ヶ月連続の前年同月割れである。PVC(塩ビポリマー)向けが同14.4%減の125,436トンと低迷状態から依然として抜け出せないできていることによる。PVC向けも17ヶ月連続の前年同月割れとなった。
 
 それにもかかわらず総出荷量が前年同月を上回ったのは、輸出が同36.2%増の110,567トンと好調を維持して国内向けの落ち込みを完全にカバーしたため。カーバイド法VCMのコスト高に悩む中国のPVC企業からの引き合いに日本国内の各社が積極的に対応してきたことによる。これで、VCMの月間輸出量は5ヵ月連続の前年同月超えとなった。しかも、前年に対する伸び率がどの月もこれまでになく高い点が注目される。

 一方の総生産量は、4ヵ月連続の前年同月割れのあと出荷同様に4ヶ月連続の前年同月超えとなった。月末在庫は67,542トンで、前年月を10.7%、前年同月を10.5%それぞれ下回っている。

ニュースリリース参照
○塩ビモノマー
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1242796330.xls