2009年05月20日
PVCの4月の出荷量、18ヶ月振りに前年を上回る
輸出の大幅増が国内向けの不振を補う
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会が20日に集計したところによると、PVC(塩ビポリマー)の4月の総出荷数量は139,802トンで前年同月の実績を0.3%上回った。小幅ながらも、これによってPVCの月間総出荷量は18ヶ月振りの前年同月超えとなった。
 
 これには、輸出が前年同月比40.2%増の63,837トンとこれまで以上に大きな伸びを遂げたことが大きく作用している。中国の塩ビ加工各社からの活発な引き合いにわが国のPVC各社がこれまで以上に積極的に対応してきたことよるもので、これで同樹脂の月間輸出数量は、今年1月までの13ヶ月にわたって続いた前年同月割れから一転して3ヵ月連続の前年同月超えとなった。
 
 しかし一方の国内向けは、主力の硬質用の不振が続いているため4月も前年同月を19.1%下回って75,965トンにとどまった。9ヵ月連続の前年同月割れである。硬質用も公共投資の低迷と住宅着工の回復の遅れが響いて9ヵ月連続の前年同月割れとなっている。また、軟質用や電線その他用も依然として前年を大きく割り込んでおり、同じく前年同月割れが9ヶ月に延びている。
 
 他方、総生産量も同12.9%減の126,548トンにとどまった。内需の回復の遅れを視野に入れて各社が減産を継続していることによる。これで07年12月以降17ヶ月連続の前年同月割れとなった。この結果、月末在庫は前月比14.6%減、前年同月比34.0%減の77,411トンへと大幅に縮小した。各社の在庫負担は著しく改善されている。

ニュースリリース参照
○塩ビ樹脂
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1242796330.xls