2009年05月22日
EVAも国内向け出荷の前年割れが続く
太陽電池や液晶機器向けは回復の兆しも
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 EVA(エチレン酢ビコポリマー)の4月の総出荷数量は17,583トンで、前年同月の実績を7.2%下回った。3月の総出荷数量は前年同月を20.3%上回り、9ヶ月振りの前年同月超えとなったが、4月は再び前年同月割れに戻った。

 これは、国内向け出荷が前年同月比21.1%減の10,473トンに大きく落ち込んだことによるもの。輸出は同25.3%増の7,110トンと引き続き好調であったが、内需の落ち込みをカバーするまでには至らなかった。

 これで同樹脂の国内向けの月間出荷量は6ヶ月連続の前年同月割れとなった。前月の実績に対しても3.4%減となっている。前年同月を大幅に下回ったのは、主力のフィルム・ラミ・シート用が前年同月比23.0%減と大きく落ち込んだのに加え、接着剤用やその他も20%台の縮小となったため。一般成形品用も同16.3%減と不振が続いている。これらのうちのフィルム・ラミ・シート用と一般成形用の不振は、太陽電池向けシートや液晶機器向けの保護フィルムの需要が依然として前年同月を大きく下回っていることによると見られる。もっとも、この点については、前年同月の出荷量が前倒し発注の発生もあって前の年を大きく上回るものであったことを考慮する必要があると指摘する関係者が少なくない。
 また同樹脂関係者の中には、4月のこれらの分野向けの出荷量は前年同月を大きく下回っている反面、2月をボトムに3月、4月と連続して着実に増えてきているので、回復に向かっていることが明らかと分析する向きも多い。
 
 なお、同樹脂の今年1月から4月までの総出荷数量は72,398トンで前年同期の実績を5.1%下回っている。うち国内向けは38,183トンで同23.3%減、輸出は34,215トンで同29.2%増となっている。