2009年05月29日
三菱化学、カプロラクタム、SM事業からも撤退
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学

 石油化学事業の再編・再構築を進めている三菱化学は29日、さきの塩ビ事業に続いてカプロラクタム及びスチレンモノマー(SM)事業からも撤退することを決めたと発表した。

 国内需要が縮小する一方、海外では中東を中心に安価な原料を基にした石化プラントが相次いで完成し、競争の激化が懸念されている。こうした事業環境を背景に、大幅な再編・再構築を実施することにした。

 「SMは07年ごろまではアジアを中心に市場が拡大し、日本からも半分近くを輸出していたが、その後は各地で新増設が進み、輸出がむずかしくなってきた。カプロラクタムもナイロン繊維やタイヤコード、カーペット用ナイロンとして需要は堅調だったが、最近はポリエステルなどに押されている。今後もあまり伸びないと判断した」(石塚博昭常務)という。

 カプロラクタム事業は、黒崎と水島両事業所合わせてシクロヘキサン年産12万トン、シクロヘキサノン同11万トン、カプロラクタム同6万トンプラントの設備を2010年3月までに停止する。売上規模140億円。

 SMは鹿島事業所の年産37万1,000トンプラントを2011年3月停止する。売上規模470億円。

 今後は原料のエチレン能力にやや余裕が生じることになるが、当面はマイルド運転に徹する。ベンゼンはもともと不足ポジションにありこれまでも外部購入していた。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1243579761.pdf