2009年06月04日
旭化成が中期経営計画を見直し、業績予想を下方修正、設備投資計画も減額
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成
会見する蛭田史郎社長

 旭化成の蛭田史郎社長は4日に会見し、2006年度から2010年度までの中期経営計画「Growtn Action—2010」を見直し、2010年度の売上高1兆3,500-1兆5,000億円(当初目標1兆8,000億円)、営業利益600-800億円(同1,500億円)に下方修正するとともに、2010年度までの総投資額も汎用品の能力拡大投資を見合わせることで当初予定より1,300億円減額し6,700億円としたことを明らかにした。これは、世界同時不況の影響を強く受け2008年度に減収・大幅減益となり、2009年度の業績も大幅な回復が見込めないてと判断し、見直した。

 2010年度見通し修正のポイントは、(1)ケミカルズ・せんい事業では、世界的な供給過剰を前提に収益見通しを減額し、収益率(ROIC等)の向上を推進(2)ホームズ・建材事業では縮小する市場環境にあるが、住宅周辺事業の拡大を通じて安定収益(08年度利益レベル以上)を確保(3)エレクトロニクス事業では、すでに急激な在庫調整が完了し平常レベルに回復したが、市場変化に対応した製品群を揃え、再び増益基調を継続する(4)医薬事業は当面は新薬の立ち上げと収益化を最優先し、医療事業は周辺事業も含めてグローバルに拡大する—ことにある。

 部門別の2010年度見通しは、ケミカルズ・せんいが売上高6,000-6,500億円(2009年度6,050億円)、営業利益160-230億円(同130億円)、ホームズ・建材がそれぞれ4,500-4,800億円(4,580億円)、200-230億円(195億円)、エレクトロニクスが1,500-2,000億円(1,450億円)、180-200億円(80億円)、医薬・医療が1,300-1,500億円(1,210億円)、120-160億円(90億円)、その他が200億円(260億円)、赤字60億円(赤字85億円)—となっている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1244099576.pdf