2009年06月05日
中外製薬、ロッシュの新しい分子標的治療薬が進行性乳がんに有効
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:中外製薬

 中外製薬は5日、スイス・ロッシュ社からの情報として「新しい分子標的治療薬が進行性乳がんの治療に有効であることが確認された」と要旨以下の通り発表した。
 
 ASCOで発表された第2相臨床試験の最終結果から、trastuzumab-DM1(T-DM1)と呼ばれる新規薬剤で治療を受けたHER2陽性の進行性乳がんの女性の25%において、腫瘍が顕著に縮小することが明らかとなった。
 
 T-DM1は2種類のがん治療薬を一つの治療薬とした新規で高度に専門化されたがん治療薬で、薬剤結合抗体(ADC)として知られる強力な薬剤に分類される初めての乳がん治療薬となる。

 T-DM1の2種類の成分は、HER2を特異的に標的とする抗体で、すでに有効性が証明されている、trastuzumab(Herceptin)と化学療法剤のDM1。trastuzumabが腫瘍にDM1を送達し、がんを誘発するHER2を過剰発現している細胞を破壊する。これら2種類の成分を組み合わせることで、T-DM1はがん細胞だけを標的とし有害な副作用を軽減すると同時に臨床的有用性を最大化することが期待できる。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1244184999.pdf