2009年06月10日
カネカ、世界初「イソブチレン系ブロック共重合体」本格展開
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:カネカ
日化協特別技術賞を受賞のカネカ技術陣

 カネカは10日、さきに日化協から「特別技術賞」を受賞した「イソブチレン系ブロック共重合体技術」について、今年3月鹿島工場に年産1,200トンの第一期製造装置が完成し、本格稼動に入ったと発表した。

 同社は2003年、独自プロセスの精密重合(リビングカチオン重合)法により、イソブチレン系ブロック共重合体(スチレンーイソブチレンースチレンブロック共重合体)の開発に世界で初めて成功した。
 
 ブチルゴムと同等のガスバリア性をもつ完全飽和型のブチル系熱可塑性エラストマーで、商品名「シブスター(SIBSTARR)」。
 
■特徴:従来のスチレン系熱可塑性エラストマーに比べて、
 ・軟化剤を使用しなくても十分な柔軟性を持つため、移行性の少ないクリーンな製品が得られる。
 ・素材自体の粘着性が高く、共押出成形も可能なことから、粘着フィルムの粘着剤として使用が可能であり、ゲルの生成もほとんどない。
 ・ブチルゴムや結晶性ポリオレフィンと同等レベルの、ゴム材料としては優れたガスバリア性を有する。
 ・外から加わる振動を熱エネルギーに変換しやすく、高い制振性能を発現する。
 ・主鎖が完全飽和型であることにより、優れた熱安定性を備えている。
 
■用途:これらの特徴を活かし、
(1)ガスバリア性とクリーンさが要求される食品・医療分野などのシール材・キャップ材・パッキン・チューブ・ホース分野
(2)柔軟性と押出成形性が求められる粘着剤分野
(3)制振性能を活かした粘弾性ダンパー、耐震シート分野
などの分野に積極展開中としている。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1244615924.pdf