2009年06月18日
21年度「ブループラネット賞」に東大・宇沢弘文、英・スターン両教授
【カテゴリー】:行政/団体
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挨拶する瀬谷理事長

旭硝子財団(瀬谷博道理事長)は18日、地球環境国際賞「ブループラネット賞」の平成21年度(第18回)受賞者2人を決定したと発表した。地球環境問題の解決で科学技術の面で著しい貢献があった人や組織を毎年表彰しているもので、平成21年度は宇沢弘文・東京大学名誉教授(日本学士院会員)と英国のニコラス・スターン卿(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授)両氏の受賞が決まった。宇沢氏は日本人としては2人目の受賞。国内800人、海外1200人のノミネーターの中から選らばれた。

受賞者には、賞状、トロフィーおよび副賞賞金5000万円が贈られる。受賞者による記念講演会を10月19日に東京都渋谷区の国際連合大学で開催するとともに、表彰式典は同21日に東京都千代田区の東京會舘で実施される。

受賞が決まった宇沢弘文教授は、極めて早い段階から環境問題を経済学の視点から分析・提言し、地球温暖化問題に対処する上での理論的な枠組みとして社会的共通資本の概念を提唱し先駆的でオリジナルな業績をあげた。また、水俣病問題や成田問題の平和的解決に積極的に関与し、現代経済や文明に対する警鐘を鳴らし続け国内的にも国際的にも大きな影響を与え続けている。

ニコラス・スターン教授は、地球温暖化の科学データや経済モデルを用いて分析し、2006年に気候変動の経済的・社会的な影響とその対策をスターン・レビュー「気候変動と経済学」として報告した。最新の科学や経済学に裏づけされた地球温暖化対策の基本的な考え方を一般の市民にまで周知したこと、また各国の政府関係者に公平性を基調とした明確な温暖化対策ポリシーを提供し、その取り組みに大きな影響を与えた。