2001年04月24日
ABS樹脂、韓国、台湾の大手メーカーが大幅減産
LG化学とBASFが30%減産
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:BASF

 ABS樹脂のアジア市場は、年初から厳しい状況が続いているが、韓国や台湾の大手メーカーの一部が大幅な減産を実施している。
 商社筋によると、韓国で減産に取り組んでいるのはLG化学とBASFの2社。LG化学は韓国・麗川に年産30万トン、韓国BASFは蔚山に20万トンの生産能力を有しているが、今月に入って稼働率をともに70%前後に引き下げた。また台湾では、同国内に年産100万トンの生産能力を持つ世界最大手の奇美実業がこれを上回る規模の減産体制にあると見られている。
 特に韓国の2社は、3月まではフル生産を行っていたが、中国の旧正月明け以降もマーケットが盛り上がらず、在庫調整局面が続いていることなどから一転、大幅減産へと転じたもので、「このようなメリハリのあるオペレーションを日本のメーカーにも望みたい」(商社)としている。
 一方台湾では、奇美実業が減産に取り組んでいる一方で減産を行っていないメーカーもある。FCFC(台湾化学繊維)は、年産25万トンの生産能力を有しているが、昨年には主原料のSM(スチレンモノマー)の増設を完了、大幅に生産能力が拡大したこともあり、生産したSMをできるだけ自消する方針をとっている。
 なお、FCFCは中国・寧波において、ABS樹脂とPVC(塩ビ樹脂)の新設計画を検討しているもよう。