2009年06月24日
出光興産、韓国LG Displayと有機EL事業で戦略的提携
有機EL技術の相互協力、有機EL関連特許のクロスライセンスに合意
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:出光興産
Ahn Byung-chul OLED事業部長(左)と松本佳久執行役員電子材料部長

 出光興産は24日、韓国のLG Display Co.,Ltd.(LGD)と、次世代ディスプレイとして注目される有機EL(エレクトロルミネッセンス)分野で、高性能ディスプレイを開発するための技術協力及びクロスライセンスを含む戦略的提携関係を構築することに合意したと発表した。

 これにより出光は、LGDに対して高性能有機EL材料の提供及びデバイス構成などの提案を行い、ディスプレイ業界大手のLGDを顧客として確保する。一方のLGDは、出光との提携により有機ELの研究、製品開発及び生産を強化、加速させる。
 
 また、両社は、それぞれが保有する有機EL関連特許のクロスライセンスについても合意し、関連特許を自由に利用できるようにする。 両社は有機EL分野におけるシナジー効果を相互に享受し、業界でリーダーシップを発揮するための基盤を構築していきたいとしている。


【出光興産 執行役員・松本佳久電子材料部長のコメント】
 今回の戦略提携によって、両社の有機EL事業における取組関係をより強固なものに発展させることを期待している。また出光の有機EL技術をさらに高めることで有機EL関連事業の強化、拡大を図っていきたい。
 
【LGD Ahn Byung-chul・常務OLED事業部長のコメント】
 今回の契約締結はLGDの有機EL事業強化に役立つだけでなく、中長期的にはノートパソコンやTVなど中大型有機EL市場への参入にも大きく貢献する。このようなWin-Winの協力関係は、両社の有機EL事業に大きなシナジー効果をもたらすと期待している。
 

<用語の解説>
■有機ELディスプレイとは :
 有機ELディスプレイとは有機材料に電流を加えることで材料自らが発光する自発光型ディスプレイデバイスのことで、バックライトやカラーフィルターなどが不要なため、部品数を大幅に減らすことができる。そのため、省資源になり製造段階のエネルギー消費も抑制できることが期待されている。また、優れた動画応答性や鮮やかな色表現が可能なため、次世代の薄型ディスプレイとして注目されている。
 
【 LG Display Co.,Ltd.の概要】
(1)設立  1985年 2月
(2)所在地  Seoul市 Yeongdeungpo-gu、Yeoido-dong 20
(3)CEO Kwon Young-soo
(4)資本金  1兆 789億ウォン (2009年 3月末現在)
(5)従業員  27,000名 (2009年 3月末現在)


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1245830177.pdf