2009年07月06日
三菱樹脂、余剰汚泥解消の「新排水処理システム」開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三菱樹脂
ヒシビオタンク

 三菱樹脂は6日、畜産・水産食料品、缶詰などの製造工場向けに新しい排水処理システムとして、余剰汚泥を解消した、接触ばっ気(注)式排水処理システム「ヒシビオタンク」を開発したと発表した。近く全国発売する。

 食品工場の排水処理には現在、活性汚泥法を採用しているところが多いが、これは、排水中の有機物を活性汚泥菌によって高分子化し凝固・沈殿させた後、その上澄み水を公共用水等に放流する方法で、大量の余剰汚泥が発生しやすい。

 余剰汚泥は、通常、脱水し、乾燥させた後、焼却するほか、一部は肥料化、コンポスト化されているが、いずれも大きな処理コストがかかる。また、埋設・放置すれば、悪臭や有害物質といった二次的な弊害をもたらしやすい。

 今回開発した「ヒシビオタンク」はコンパクトなFRP製パネルタンクで、既存の活性汚泥処理設備につなぐだけで利用できる。最適の微生物を同タンクの接触ばっ気槽に投入し、排水を経由させることで、有機物を効率的に分解し、余剰汚泥を解消する。
 
 分解後の処理水は、水質汚濁防止法の定めるSS(浮遊物質)レベルの目標値を大幅にクリアしており、これを再び既設の活性汚泥処理設備に戻した上で放流することもできる。

 また短期間の工期で設置でき、メンテナンスが容易、増設・移設が可能などといった特徴も持っている。今後積極的に拡販に努め、5年後に20億円の売上を目指す。

【用語解説】
■ばっ気(曝気)とは
 各種の方法で液体と空気を接触させて、液体に空気中の成分(例えば酸素)を吹き込んだり、また、液体中の溶存ガスを空気中に追い出したりすること。代表的な例として、空気と廃水を接触させて空気中の酸素を十分に供給し、好気性微生物の分解処理を促進させるものがある。 空気を吹き込み撹拌する、液体を攪拌して液体表面から空気を取込む、液体を空中に散布して水と空気とを十分に接触させる等の方法がある。接触ばっ気法は、接触ばっ気槽内の接触材に付着する生物膜を利用して、汚水を循環接触させて浄化する生物膜法の一処理方式。
 
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1246846065.pdf