2009年07月06日
山西省で石炭からメタノール30万トンとガソリン10万トン生産開始
【カテゴリー】:海外
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(上海発=特約)

山西省の晋城無煙炭集団(Jincheng Anthracite Mining Group)が山西省晋城市で建設していたMTG(Methanol-to-Gasoline)プラントが完成、このほどガソリンの生産を開始した。

17億人民元を投じたもので、石炭からメタノール30万トン/年を生産し、これからオクタン価93のガソリン10万トン/年を生産する。副産品としてLPGと硫黄を生産する。メタノール原料及び燃料用として、年間50万トンの石炭を消費する。

ExxonMobil Research & Engineering のMTG技術と触媒を使用、設計や主要設備の供給、技術支援をUhdeが請け負った。

晋城無煙炭集団では当初、第二期計画としてメタノール300万トン、ガソリン100万トンを打ち出していたが、現在のところ詳細計画の発表はない。
(中国では年産100万トン未満の石炭を原料とするメタノール計画は認められないが、合計で100万トン以上の計画で承認を受け、そのうち一部だけを実際に実施するケースが多い)

なお、晋城無煙炭集団はアジア開発銀行から1.2億ドルの融資を受け、晋城市で炭鉱メタンガスを使って12万kWのガスエンジン発電を行っている。

中国ではもう一つのMTG計画が進行中である。

中国科学院山西石炭化学研究所 (ICC-CAS) と中国化学工業第二設計院(SEDIN:Second
Design Institute of Chemical Industry)が共同で開発した一段階MTG法で、メタノールが触媒の下でガソリンと少量のLPGに一段階で変換される。

2007年末に雲南省の雲南煤化工集団(Jiehua)が年産3500トンのパイロットプラントをスタートさせており、現在同社が20万トンの商業生産を計画している。

中国のガソリン消費量は2007年が5550万トン、2008年が6340万トンとなっている。