2009年07月14日
日立化成、絶縁性と高熱伝導性両立の接着シートを開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:日立化成工業

  日立化成工業は14日、ハイブリッド自動車やLED照明などの家電製品に使用される電子部品の発熱を抑える絶縁性放熱材料として、高熱伝導性接着シート「ハイセット」を開発したと発表した。今後、サンプルワークを行い、2013年には売上高50億円を目指す。

 大電流化と小型化が同時に進む最近の電子部品には、発熱により部品温度が上昇するという課題があり、高い絶縁性を保ちながら効率的に放熱するという両立する材料が求められている。
  
 熱伝導性を高めるためには、樹脂に高熱伝導性のセラミックフィラーを大量に配合する方法が一般的だが、フィラーが多いと柔軟性が損なわれ、絶縁信頼性や回路との接着性が弱まる。また、フィラーによっては熱伝導性に異方性が大きいものがあるため、全方向に高熱伝導性と強い接着力を併せ持つ材料が必要となる。

 同社は、日立製作所と共同でナノ技術を活用し絶縁性と熱伝導性を両立したエポキシ樹脂を開発し、無機フィラーを適量配合して、コンポジット構造の接着シート「ハイセット」を開発した。

 全方向に高熱伝導性と高い絶縁性を示し、高温下での信頼性が高く、発熱する部品等に熱圧着することができ、樹脂の硬化後は強固な接着力を有する。また、吸水性が低く、軽量で扱いやすいなどの特徴がある。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1247539123.pdf