2009年07月21日
PSの6月国内出荷量は今年最大、「底を打った」と首長工業会会長が強調
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会は21日、2009年6月と1〜6月期のポリスチレン(PS)およびスチレンモノマー(SM)の生産出荷実績をまとめ、発表した。それによると、PSの国内出荷は前年同月比12%減であるが7万519トンで今年最大の出荷量となった。同工業会の首長信幸会長(PSジャパン社長)は、「2月を底に徐々に回復しており、底を打ったと言える」と強調した。

 PSの6月の生産量は、6万3126トンで前年同月比2%増と今年初めてプラスとなった。国内出荷は今年最大の規模となったが同12%減となった。用途別にみると電機工業用が同28%減であるが、生活家電がわずかながら前年同月を超え、デジタル家電も数量は増えている。一方、事務機器は回復が遅れているが、包装用は同8%減と下げ止まっている。輸出は3087トンで同12%減だが戻りつつある。在庫は7万5684トンで同12%減少し、適正水準(1.3〜1.5カ月分)を下回る約1カ月分となりタイト感が出始めた。

 一方、PSの1〜6月期実績は、生産が29万146トン、前年同期比26%減で90年以降最小となった。国内出荷は33万69トン、同20%減で90年以降最小となった。ただ、1〜3月期は同26%減、4〜6月期が同14%減であり、底を打ったと見られる。輸出は同37%減の1万3399トンであるが、1〜3月期にデジタル家電向けの輸出が減少したのが影響が大きい。

 SMの6月の生産は28万5800トン、前年同月比12%増で3カ月連続して前年を上回った。国内出荷は12万7898トン、同13%減で、輸出はそれを上回る16万4440トンで同31%増となった。出荷合計は輸出増により29万2338トン、同7%となり4カ月連続のプラスとなった。

 SMの1〜6月合計は、生産が144万7276トンで前年同期比6%減、国内出荷は60万1213トンで90年以降の最小であった前年同期を35%減と大幅に下回った。輸出は87万5411トンで37%増、2007年1-6月期(84万4000トン)を抜いて過去最高となった。出荷合計は輸出の大幅増があったものの、国内出荷の大幅減をカバーしきれず147万6624トンで同5%減となった。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1248159157.pdf