2009年07月22日
環境省調査「廃ペットボトルの輸出、急激な減少傾向」
【カテゴリー】:行政/団体(環境/安全)
【関連企業・団体】:環境省

 環境省は21日、「分別回収された使用済みペットボトルの処理は、指定法人向けの割合が高まり、そのまま輸出に回る比率は急激な減少傾向にある」とする、2008年度の「廃ペットボトルの市町村における独自処理に関する実態調査」結果をまとめた。
 
 市町村で分別収集した使用済みペットボトルは、容器包装リサイクル法に基づき指定法人ルートを通じてリサイクル処理されることになっているが、実際には相当量の廃ペットボトルが中国などへそのまま輸出され、国内の処理システムが“低稼働”に甘んじるという事態を招いていた。
 
 今回の調査は、ペットボトルの分別回収を行っている1,754の市町村を対象に行い、1,751市町村から回答を得た(99.8%)。
 
 その結果、以下のことが明らかとなった。
(1)昨秋から指定法人ルートでの処理量が急激に増加し、09年度は処理量の約68%(202,136トン)が指定法人ルートとなる見込み。08年度は55.5%、07年度は50.8%だった。

(2)独自処理をしている市町村については、引渡事業者と契約時に引渡要件を定めていない市町村が34.4%となり、前年度から12%減少した。ペットボトルの輸出は、大半はこの引渡要件を定めていない事業者を通じて行われているところから、この数字は実質的に輸出の減少につながると見られる。

(3)使用済ペットボトルの処理先について、住民への情報を提供していない市町村は48.9%で、前年度から約8%低下した。

【環境省・リサイクル推進室の話】
 高い値段で輸出できるなら、国内処理にこだわる必要はないではないか、という声もあるようだが、昨年は世界的な景気後退の影響で中国の需要が落ち込み、引取量が減って、価格も下がったと聞いている。輸出が減れば、結局その分日本国内の処理量が増えることになるが、果たしてそういうことでいいのかどうか。適切にリサイクルを推進していくためには、安定的に処理できる体制が必要だし、指定法人ルートでの処理量増加はその意味でいいことだと思う。