2009年07月23日
上海万博 来年5月開催へ準備進む 240の国・地域・機関が参加
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 世界的な金融危機の影響で一部、着工が遅れていた上海万博。懸念されていた米国の参加が決まり、来年5月開催の準備が整った。上海市は浦東、虹橋両空港を中心とする交通整備や周辺の観光施設の“化粧直し”に全力を挙げて取り組んでいる。

 上海万博のテーマは「より良い都市、より良い住居」。来年5月1日から10月末まで半年にわたって開催される。会場は近代西洋建築の集積地を代表する上海バンドと黄浦江を挟んで新興の浦東・陸家嘴金融貿易区。国際都市として発展中の上海市(人口1,700万人)の中心地だ。マスコットはアニメタイプの「海宝」。

 上海万博事務協調局では大阪万博の6,400万人を超える7,000万人の入場者を見込んでいる。3カ月ほど遅れて7月17日に着工した米国館を含めて約100棟のパビリオンが建設される。全体で240の国・地域・機関が参加する。

 中国館(約16万平方メートル)は、上に広がる冠形構造ですでに外壁装飾板の取り付けが終わった。9月末に竣工、内部展示場の作業に入る。日本館は6,000平方メートルの敷地(江南造船所跡)に建設中で、7月4日には日本産業館が着工した。堺屋太一氏が総合プロデューサーとなり、テーマは「日本の創る良い暮らし」。ダイキン、ユニチャームなど20社が参加した。各国の産業館は計17棟。

 米国館は用地が日本と同じ6,000平方メートル。外国企業では最大。金融危機の影響で総額6,100万ドル(約57億円)とみられる建設費、運営費などの事業費が集まらず、停滞していた。しかし、コカコーラ、ペプシコ、ゼネラルエレクトロニックなどに加えて、ここにきてウォルマート、インテル、NYSEユーロネクストの3社が参加、ようやく準備が整った。
 
 米政府は今月初めに米国館総代表にテキサス州在住の弁護士、ホセ・ビジャレアル氏を任命した。ただ、米国は法律で万博へ財政支出を禁じており、事業費の調達にはなお民間からの出資が必要とみられている。

 すでに参加している各国のパビリオンをみると「創意の都」の英国館、「人の城」のイタリア館、「人類が都市を創造する」のポーランド館などが目立つ。上海市は万博ムードの盛り上げに懸命で、救急介護、エコ対策、グリーン対策、食品衛生などにも力を入れている。