2001年04月20日
昭和電工、7月よりマレーシア・BPPAから酢酸の引取開始
年間約12万トン、BPと合意
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工は19日、有機化学品事業の基幹製品である酢酸事業について、英BPの子会社であるビーピー ペトロナス アセチルズ社(BP PETRONAS Acetyls Sdn,Bhd.、以下BPPA)との間でBPPAがマレーシアに新設、保有する酢酸設備の総能力の約30%の製品を、供給保障契約に基づき、昭和電工が長期安定的に引き取ることで合意した、と発表した。これにともない7月から引取りを開始する。
 BPPAは、BPが70%、同国国営石油会社ペトロナスが30%出資する合弁会社で、昨年11月、酢酸年産40万トン設備の商業運転を開始した。昭和電工は今回引き取る12万トンについては、マレーシアという立地を最大限に活かしアジアの顧客に販売するほか、酢酸エチル子会社向けなどの原料として供給していく方針。
 昭和電工は、現在推進中の中期経営計画「チータ・プロジェクト」において、有機化学品のコア事業としてアセチル系製品(酢酸、酢酸ビニル、酢酸エチル)の競争力強化に取り組んでいる。1997年はすでに大分コンビナート内で世界初のエチレン直接酸化法による酢酸設備を竣工させているほか、需要が拡大するアジア地域において、生産拠点の確保に向けたFS(事業化調査)を実施していた。今回のBPPAとの契約により、BPが開発した効率の良い触媒を採用した最新鋭で大型のメタノール法による酢酸をマレーシアで確保、(1)原料(エチレン/メタノール)の価格変動に柔軟に対応できる2生産体制の確立と、(2)成長が著しい市場で拠点を得ることにより、円滑、迅速なデリバリーなどのサービス向上、またカスタマーズ・サティスファクションを高めることができ、アセチル系事業全体の国際競争力の強化が実現する、としている。