2009年08月24日
山東省煙台市が重点産業の懇談会、自動車、電子情報、食品加工、黄金
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 山東省の煙台市が重点産業の発展計画を説明、日系企業の参加を進めるため、20日、東京で懇談会を開いた。于東・煙台市対外経済貿易合作局長が団長として来日、「市は産業クラスターの充実につとめ製造業の強い都市として、機械製造、電子情報、食品加工,黄金工業の4大産業の発展に重点を置く」と語った。

 同局長はこれら産業はとくに自動車、携帯電話、コンピュータを取り上げ、クラスターとして原子力発電、石油化学、冶金、生物医薬、造船、特殊化学繊維などの育成に努める計画を明らかにした。また、エネルギー供給、通信、交通、現代都市サービス,サービス機関などのインフラ整備に力を入れ、科学教育文化も充実させるとした。さらに金融保険、サービスアウトソーシングなどについても発展させる計画。4大産業とクラスターは以下の通り。

<機械製造>
 自動車・部品、船舶関連設備、CNC,複合旋盤、石油化学設備、冶金、発電、環境設備の発展に注力。自動車ではセダン、旅客車、積載車の完成車に重点を置く。上海GM東岳自動車とベンツ大型トラックのため6か所の工業パークの開設を予定している。現在、完成車および部品企業は360社、完成車の資格を持つ企業は14社ある。

 船舶では煙台開発区の八角湾、蓬莱市の泊子東と滝口港に船舶製造区を建設する。比較的大きい企業は8社あり、2万トン級、アジア最大の船舶用バースと2万トン級クレーンを持つ。韓国の大宇造船、現代ボイラー、ラッフルズ造船などが立地している。

<電子情報>
 既存の電子情報企業は300社を数える。今後も携帯電話やコンピュータの製造上の優位性を生かして、IC、新型ディスプレイ、光電子、半導体照明などの分野でのブレークスルーを目指す。デジタルアニメ、インターネット情報サービス、はめ込み式ソフトウエア、電力ソフトウエア、港航ソフトウエア、IC設計などのサービスを加速させる。ソフトウエアサービスアウトソーシング企業は現在、200社を数える。

<食品加工>
 ワイン、果物、野菜、水産品、牧畜製品の付加価値加工に重点を置く。標準化された無公害「緑色食品」と有機食品の生産基地を建設し、「中国食品都市」の創建に努める。各種食品企業は1,500社。張裕のワイン、龍大の安徳利ジュース、魯花の食用油などが有名。

<黄金工業>
 中国最大の黄金産業基地および金銀宝石加工集散センターを建設する。200所余りの採掘・選鉱規模は3万7,700トン。金精錬の能力は年100トンに及ぶ。招金や金剛の有名ブランドがある。

 市はほかに潜在発展産業として、煙台港西港区の石油化学パーク、工業アルミ型材と軽質合金材料の産業チェーン、生物医薬、海陽原子力発電産業区と莱山原子力発電パークに建設中の発電計画を進める。問い合わせは煙台市駐日商務代表処:TEL03-6303-9350