2009年09月02日
中国が漢方医薬の国際化、近代化はかる 10年後目指し4,000億元産業へ
【カテゴリー】:海外
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 中国は10年後に漢方医薬を今の年1,000億元から4,000億元規模に発展させる方針を打ち出した。科学技術省バイオ技術発展センターによると、漢方と西洋医薬を有機的に結び付けた医療保健システムを構築し漢方医薬産業の形成を目指す。

 漢方医薬の近代化を加速し、規格体系を整え漢方生薬の栽培、生産、加工システム化、標準化、規模化を進め漢方の技術革新能力を高める。理論体系を整え、漢方診断・治療のレベルを大幅にアップ、より多くの人と国が漢方技術を享受できるようにしたいとしている。

 漢方医薬保健体系を人々の健康を守る重要な柱とし、農村の85%の人が医療保健サービスを受けられるようにする。中国の考え方はさる6月、天津で開かれた「2009国際バイオ経済会議」で明らかにされた。

 中国は漢方の規格体系を整えるため、ISO(国際標準規格)の規格作成を働きかけている。これには韓医薬、日本の漢方の関係者から一方的な“中国スタンダード”が懸念されるとの異論も出ている。WHOでの扱いが望まれているわけである。

 漢方の標準規格化については、欧米からの関心が薄く、かりにISO で検討されることになれば、委員会のメンバーしだいで規格の内容が決められかねない恐れがある。少なくとも広くアジアのメンバーによる協議が望まれているといえる。

 中国の漢方医薬産業は過去25年間に使用量が40万トンから120万トンに伸びた。同国市場は2010年には米国、日本、ドイツ、フランスに次ぐ、世界第5位になるとの見方も出ている。