2001年04月17日 |
日動産業、生ゴミ処理機用に生分解性樹脂素材のごみ袋を開発 |
業務用発酵型処理機メーカー向けに展開 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:電気化学工業 |
電気化学工業の子会社である日動産業は、生ゴミ処理機向けに生分解性樹脂素材の生ゴミ袋「デグラノボン生ゴミ袋」を開発、今後業務用生ゴミ処理機メーカー向けに事業を展開する。 現在、一般に市販されている業務用の生ゴミ処理機には、微生物を活用して生ゴミを発酵させ堆肥を製造するリサイクルタイプ、ディスポーザブルに生ゴミを粉砕して下水道などに排出廃水処理する消滅タイプ、加熱減量して焼却処理する乾燥タイプの3つが代表的で、生ゴミを減容化するのに用いられる。しかし、今月から「食品循環資源の再利用等の促進に関する法律」施行されたことにより、食品関連事業者は生ゴミの回収システムをどのように構築していくかが課題となっており、その中で高速に生ゴミを発酵させて堆肥としてリサイクルする発酵型の生ゴミ処理機が主流になるとして、注目されている。この生ゴミ処理機は、40~80度の熱を与えながら、発酵を促す微生物を加え、約24時間と高速に生ゴミを堆肥化するもので、現在数社が販売している。 これらの発酵型の生ゴミ処理機を用いる際に、生分解性の樹脂を用いたゴミ袋を使うことで生ゴミ処理機に袋ごと投入することができるため、生ゴミに直接触れず、衛生的に作業することができる、あるいは生ゴミを入れていた容器を洗浄するなどの作業をしなくてすむようになる、などのメリットがある。日動産業が開発したデグラノボン生ゴミ袋は、特殊なLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)に、米ノボン社の開発したオレフィン系樹脂用酸化分解剤デグラノボンをマスターバッチとして20%程度混和することで、生分解性機能を発揮する生ゴミ袋で、生ゴミを水と炭酸ガスおよび堆肥に分解する。すでにノボン社は米国やカナダで自然分解(6カ月程度)による生ゴミ処理用に生ゴミ袋を展開しているが、日動産業は今回、業務用の生ゴミ処理機向けに適したごみ袋として新たに開発した。 時間の経過とともに分解していくため保存期間に制限があること、また温度を70~80度に設定する、生ゴミ以外のものを混入しない、分解に酸素が必要なため袋の口を結束しない、などの制約があるものの、高速発酵型の処理機に直接投入すれば、生ゴミとともに24時間程度で完全に分解する。価格は、45リットル袋で1枚50円前後と、従来のポリエチレン製ゴミ袋(1枚10円前後)に比べればまだ高いものの、主原料はポリエチレンであり、生分解性プラスチック製の製品に比べれば安価で、また大量生産することにより今後大幅にコストを下げることができる。 現在同社は、高速発酵型の生ゴミ処理機メーカーとの交渉を進めており、処理機メーカーやその販売代理店を通じて販売していく方針で、処理機の普及にともないメーカー1社当たり年間100万枚以上の需要が見込まれるとしている。また当面は業務用への展開に注力していく方針だが、最近では地方自治体が生ゴミを回収して処理する替わりに、数個分の処理能力をもつ生ゴミ処理機を設置して各自が処理する方法を検討、実験を進めているケースもあり、自治体向けへの展開にも期待している。 |