2009年09月11日
東レ、業界最薄・柔軟性の金属対応UHF帯ICタグ開発、販売開始
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

 東レは11日、薄型で柔軟性をもち、オンデマンド印刷が可能なUHF帯(極超短波)金属対応ICタグを開発し一部販売を開始したと発表した。

 ポリエステルフィルムを金属蒸着させたもので(1)金属製品貼り付け時にも通信(約2メートル)ができる(2)柔軟性があり、幅広い対象物に貼り付け可能(3)UHF帯金属対応ICタグで業界最薄(約1.4ミリ)を実現した(4)ラベルプリンターが使用でき、オンデマンド印刷が可能などの特徴をもつ。

 UHF帯ICタグは、長距離通信、複数一括読み取りが可能なことから、流通業界をはじめさまざまな分野で活用が広がっている。しかし、貼り付ける対象物の影響を受けやすく、特に金属に貼り付けた場合、発生する渦電流や反射波の影響、インピーダンス不整合などの課題があり、通信が不可能となる弱点があった。これまでは、ICタグと金属の距離を離すことで金属の影響を低減してきたが、加工性や柔軟性が損なわれるなどの課題があった。

 同社は今回、独自の材料技術、フィルム技術、加工技術を融合した特殊機能フィルムを新たに開発することで上記の課題を克服した。厚さ1.4ミリで、従来品の5分の1以下という業
界最薄のUHF帯金属対応ICタグの開発に成功した。

 今後は今後、小型タイプや長距離通信タイプなどラインナップの拡充を図る。また、中期的にはICタグアンテナ事業への参入も計画している。2020年には売上50億円を目指す。

 なお同社は、今月16ー18日東京ビッグサイトで開催される「第11回自動認識総合展」に同製品を出展する。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1252647163.pdf