2009年09月11日
電化、「白色LED用サイアロン蛍光体」開発、来月から販売・市場参入
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:電気化学工業

 電気化学工業は11日、液晶テレビのバックライト用蛍光体となる「白色LED用サイアロン蛍光体」を開発したため、10月から販売を開始するとともに同市場に本格参入すると発表した。
 
 独立行政法人 物質・材料研究機構(NIMS)から基本特許のライセンスを受け、独自の窒化物系セラミックス技術を組み合わせて開発した。「白色LED用サイアロン蛍光体」の実用化は世界で初めて。製造は大牟田工場、規模などは非公開だが当初の事業規模は年間数十億円と見ている。
 
 液晶テレビメーカーの間では、光源に使用するバックライトを従来の冷陰極管(CCFL)からLED(Light Emitting Diode)に置き換える動きが急速に高まっている。
 
 LED化により消費電力を大幅に低減でき、CCFLに使われる水銀を排除することができるためだが、従来の蛍光体を使用したLEDは、輝度を上げるために電流を増やすと、温度が上昇することでかえって輝度低下をもたらし、発光色も変化するという問題があった。
 
 これに対しサイアロン蛍光体(緑色)を用いたLEDは、温度上昇に対して輝度と色の変化が小さいため、液晶テレビの高輝度化と高画質化を図ることができる。
 
 同社では、今後、液晶テレビのバックライト用白色LEDの蛍光体として需要の急拡大が見込まれるとして、デファクトスタンダードを目指す。
 
 開発にあたっては、シャープの研究開発本部とも共同開発した。
 
 またNIMSとの共同研究により、蛍光材の発光波長を制御する技術を深化させ、液晶テレビの多様なニーズに対応するとともに、今後大きな成長が見込まれるLED照明分野に適した蛍光体開発にも見通しを得ているという。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1252649204.pdf