2009年10月02日
三菱化学、歩行リズムでQOLを評価 日常行動解析サービス事業「見守りゲイト」を開始
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は2日、高感度センサーで収集した歩行等の生体リズムを、独自の高度解析技術でデータ解析することで被験者のQOL (Quality of Life/生活の質)を評価する「日常行動解析サービス事業『見守りゲイト』」を10月から開始すると発表した。ゲイト(Gait)は歩行・歩様の意。

 この解析技術は、東京医科大学・三苫博教授のワーキンググループによりパーキンソン病患者のQOL管理に有用なことが見出されつつある。

 パーキンソン病は動作が緩慢になり、動けなくなる神経難病で主に50歳以降に発病、患者数は全国に約14万人 (2002年厚生労働省推計)。しかし、パーキンソン病のQOL評価は問診で診断するほかなく、定量的なデータで直截的・客観的に評価ができる新たな方法が強く望まれていた。

 同社の解析技術は、高感度な「モーションレコーダー」で歩行を中心とした生体リズムを24時間連続測定・記録し、これらデータを独自の「非線形解析技術」で精緻に評価することが可能。この解析技術によりパーキンソン病患者特有の生体リズムを検出できることが三苫博教授の予備的研究で明らかとなった。

 この解析技術を「見守りゲイト」と名付けて、10月より被験者のQOL評価の一指標として役立て、健康管理用途・研究用途での提供を開始することにした。今後は、臨床有用性を高め医療サービスへの展開を図る計画。

 「見守りゲイト」サービスは、脳循環障害やアルツハイマー型認知症等の他の疾病への展開、各種リハビリ効果の把握等、幅広い応用も可能で応用拡大と海外展開により「見守りゲイト」事業は2014年度で数10億円の売上を見込んでいる。

 「第3回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス」(10月8〜10日・品川プリンスホテル)において「見守りゲイト」の有用性が発表される予定。