2009年10月14日
住友化学、ポリプロ・カルテル問題で上告断念
東京高裁 PPメーカー4社に対して「請求棄却」の判決
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:出光興産、サンアロマー、住友化学、トクヤマ

 公正取引委員会は10月13日発行のメールマガジンに「トクヤマほか3名による審決取消請求事件判決について」と題して、ポリプロピレンの販売カルテル問題に対する東京高裁の判決内容を掲載した。

 それによると、トクヤマ、住友化学、出光興産、サンアロマーの4社が公取委の審決内容を不満として行った審決取消請求を棄却する判決を同高裁が下している。

 これを受けて4社がどのような対応を示すかが注目されたが、住友化学は14日、「主張が認められなかったことは残念だが、上告しないことにした」とのコメントを発表した。残りの3社はいずれも「今後の方針を現在検討中」としているが、事態は収束の方向に向かうと見られる。

【住友化学のコメント】
 当社の主張が認められなかったことは極めて残念ではありますが、諸要素を考慮し上告しないことといたしました。当社としては、判決を受けたことについては真摯に受け止め、引き続き法令順守の徹底を図っていく所存でございます。


■公取委のメールマガジンから :

 原告トクヤマ、同出光興産、同住友化学及び同サンアロマーによる審決取消請求事件について、東京高等裁判所で原告らの請求を棄却する判決がありました(9月25日)。

 本件は,原告らが平成19年8月8日に公正取引委員会が行った審判審決(平成13年(判)第15号。以下「本件審決」といいます)
 (http://snk.jftc.go.jp/JDS/data/pdf/H190808H13J01000015_/H190808H13J01000015_.pdf)について,
 
 (1)本件審決は平成12年3月6日の会合において原告ら7社の間でポリプロピレンの販売価格の引上げに関する合意(以下「本件合意」といいます。)を行ったと認定しているが,そのような事実はなく,
 (2)本件審決の事実認定は,引用する証拠自体が実験則や経験則に反しており,実質的な証拠がないなどとして,本件審決の取消しを求めて提訴したものです。

 東京高等裁判所は,平成21年9月25日,本件審決の認定は,経験則,採証法則等に反するとはいえず,実質的証拠があって,本件審決が上記会合において本件合意(意思の連絡)が成立したと認めたことは合理的であるということができ,本件審決には,原告らの主張するような違法はなく,原告らの請求は理由がないとして,原告らの請求をいずれも棄却しました。  
http://snk.jftc.go.jp/JDS/data/pdf/H210925H19G09000035_/090925.pdf