2009年10月15日
東レ、PBT樹脂の良流動化グレード「トレコン ナノフロー」本格発売
部品の薄肉化、生産性向上 省エネ、GHG削減に貢献
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

 東レは15日、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂の良流動化グレード「トレコン ナノフロー」シリーズを開発したため、本格販売を開始すると発表した。

 従来グレードと同等の機械物性を維持しながら流動性を大幅に改善したのが特徴。射出成形部品の薄肉化や複雑形状の製品設計が可能になるほか、成形サイクルの短縮や成形加工温度の低減による生産性向上、省エネルギー化が期待され、温室効果ガス(GHG)の削減にもつながる。

 同社は同グレードの開発にあたり、独自のポリマー分子設計技術とナノオーダーのポリマー構造制御技術および溶融混練技術などを追究し、従来技術と一線を画すPBT良流動化新技術を創出した。
 
 また、新たなポリマー変性技術を確立し、PBTポリマーの構造をナノオーダーで制御することにより、溶融状態でPBTポリマー分子の運動性を大幅に向上させることに成功した。

 射出成形モデル実験の結果、従来のPBT樹脂と同等の機械物性を維持しつつ、最大80%の流動性向上を達成した。また、従来のPBT樹脂を上回る成形性を実現しながら、溶融成形加工温度を20℃低減させた。

 今回発売するのは、標準タイプの非難燃ガラス強化グレードと難燃ガラス強化グレードの2種で、電気・電子機器部品をはじめ、自動車部品への採用を目指す。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1255593933.pdf