2001年04月13日
PCの製造プロセス、2010年頃には非ホスゲン法が主流に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:旭化成、バイエル、三菱化学

 国内のPC(ポリカーボネート)メーカーによると、PCの製造プロセスは、2010年頃をめどに現在多く用いられているホスゲン法に替わり、ホスゲンや塩化メチレンを用いない非ホスゲン法が主流になる見通しだ。
 ホスゲン法は、現在ほとんどのメーカーが採用しているプロセスで、PCの製造過程において猛毒物質のホスゲンが使われる。ただし、各社の設備ともホスゲンを用いる部分は完全にクローズド化しており、基本的に安全面の問題は無い。
 しかし、環境問題への意識が高まるにつれ、今後ホスゲンを用いること自体が問題視される可能性があり、各社が新製法の開発に取り組んでいる。
 今のところ、非ホスゲン法設備を事業化しているのはGEプラスチックスのみで、日本とスペインに設備を有している。これに続いて旭化成が奇美実業との合弁会社旭美化成として、現在台湾・台南県で年産5万トン設備の建設を進めており、今年8月にも完成、来年初めから商業運転を開始する予定となっている。このほかホスゲンは用いるものの、塩化メチレンを使わない製法としては、バイエルがベルギーで三菱化学が黒崎で昨年事業化している。
 非ホスゲン法は、原料モノマーが特殊なものになること、また分子量の問題で作ることのできるグレードが制限されることなどの問題はあるものの、環境面で強くアピールすることができる。このため各社とも技術の確立を急ぎつつ、タイミングを見て非ホスゲン法の採用を検討していくことになるが、主流となるにはまだ時間がかかる見通しだ。