2001年03月21日 |
経済産業省、内分泌かく乱作用検討会を開催 |
6化学物質の評価で意見交換 |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:環境省、経済産業省 |
経済産業省製造産業局は21日、化学物質審議会管理部会・審査部会の組織の1つである「内分泌かく乱作用検討委員会」を開催し、4-ニトロトルエン、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシルなど6種類の化学物質のリスク評価について討論を求めた。 これまで同委員会では、内分泌かく乱作用を有すると疑われる物質として環境省が「SPEED’98」にリストアップしてきた合計67物質のうち、生産実態のないものや農薬ならびに非意図的生成物を除いた15物質についてリスク評価の必要の有無を検討してきた。その中では、スチレンダイマ・トリマーは同作用がないとのデータが内外で多数示されているので対象から除外してしかるべきとの結論も下され、これが後に環境庁でも認められてSD/Tは同リストから外された。 この日の検討会では、前回(昨年12月19日)の会合に続いて、上記2物質とフタル酸ジ-n-ブチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、ノニルフェノール、ビスフェノールA--の4物質を合わせた合計6物質を対象に意見が交わされた。 その結果、4-ニトロトルエンとアジピン酸ジ-2-エチルヘキシルについては、「各種ホルモン受容体との結合活性を明らかにする試験やOECDのガイドラインに則ったスクリーニング試験を実施し、その結果を基に妊娠及び授乳期投与試験、多世代繁殖試験を実施するかどうかを判断する必要がある」との点で意見が一致した。フタル酸ジ-n-ブチルの場合は、さらにデータを収集して再度この委員会で検討することになった。フタル酸ジ-2-エチルヘキシルについては「OECDのガイドラインに則ったスクリーニング試験を実施する必要があり、また、各種ホルモン受容体との結合活性を明らかにするインビトロ試験や受容体が存在しない作用機序の検討についてもアッセイ系の開発を含めて検討する必要がある」との見解をまとめた。また、ノニルフェノールに関しては「OECDのハーシュバーガー法と改定テストガイドライン407を実施し、その結果と現在のデータを比較検討して、内分泌かく乱作用を明らかにする上でさらに動物実験等を行う必要があるかどうか判断すべき」との考えをまとめた。また、注目のビスフェノールAについては「多くの報告があり、現時点で追加試験を行う必要はない」との結論になった。ただし、低容量問題に関して進展が見られた場合は対応を考慮する必要があるとのいけんも付け加えられた。 |