2009年11月09日 |
日本ゼオン、リチウムイオン二次電池材料が好調、世界市場トップ狙う |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:日本ゼオン |
日本ゼオンは9日、リチウムイオン二次電池材料となる同社のバインダーが自動車各社の環境車対応車用材料として評価され、これまでにほぼ全ての大手自動車メーカーに採用が決まったと発表した。 バインダーは現在、川崎工場で生産しているが、新たな専用工場の建設についても検討をはじめた。 環境対応車に使用されるリチウムイオン二次電池は、正極材、負極材、セパレータ、電解液の4つの材料からなっているが、これ以外になくてはならないのがバインダーだ。バインダーは、こまかい粒子状の正極材や負極材を結着し、これらの機能を最大限発揮させる役割をもつ。 日本ゼオンのバインダーは結着性が良く、少ない量で正極材、負極材である活物質をつなぎ止めることができるため、リチウムイオンが通りやすい。また、バインダー自身に弾性があり、割れにくいことから安全性が高いなどの特徴をもっている。 バインダーはこれまで、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)が主流だったが、もろくて割れやすく、また、溶剤系のため発火の危険性があった。 日本ゼオンは1995年に水系で弾性のあるバインダーを開発・上市し、現在ノートパソコン用途でシェアー70%以上を獲得している。 今回の自動車メーカーの採用では、これまでの特徴のほか、電池として重要な充放電を繰り返すことによる電池性能の低下が少ないことも評価された。 日本ゼオンでは、自動車各社の環境対応車生産は2012年には本格化すると見て、電池の研究や評価体制をさらに強化していく方針。川崎工場に次ぐ専用工場の建設についても検討に入ったとしている。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1257754545.pdf |