2009年11月10日
中国の紹興浜海工業区がセミナー「繊維産業の拠点、恵まれた立地」
浙江湾南、杭州—寧波の中間に位置
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:なし

 紹興酒で知られる浙江省の紹興県(紹興市の管轄)は9日、東京で紹興浜海工業区とともに投資セミナーを開いた。同工業区は杭州—寧波の中間にあり、杭州—上海の中間にある嘉興から浙江湾を挟んで嘉紹跨江大橋によりつながる。長江デルタに近接しており、交通の要所でもある。

 2002年に発足した同工業区は計画面積100平方キロ、省級開発区として認可をとり、08年に省の発展循環経済実験区に指定された。杭州まで46キロ、寧波まで120キロ、上海まで220キロ,蕭山国際空港まで20キロの距離ですでに省環境競争力ベスト10に入っている。

 同工業区には既に180社余の企業が進出、08年に413億元(約5,906億円)を売り上げた。このうち輸出額は5.2億ドル(約504億円)。合繊原料など6つの産業が形成されている。

 業種別ではポリエステル(PTA年産200万トン)、化繊(年産105万トン)、新材料(BOPETフイルム年産12万トン)、クラフト紙(年産30万トン)、繊維捺染(52社、年25億メートル、全国の3分の1、中国トップ)、医薬、機械電子(年産300台のCNCマシン自動車部品など)、農産物加工の産業。飼料と油脂は省内で1、3位を占めている。

 繊維捺染では09年に「中国緑色捺染研究発展生産基地」に選ばれた。同工業区内には63平方キロの道路枠があり、35本の道路と65本の橋が完成、道路延長が90キロに達している。電力、工業用水(1日16万トン)の供給や、医療関係も安定している。

 同県の面積は1,177平方キロ、人口71万人で08年のGDPは89億ドル、工業生産333億ドル。紹興市の人口600万人、寧波の800万人に比べ小ぶりだが、一人当たりGDPは1万2,000ドルと高い。

 県では恵まれた立地条件、集約された繊維産業、100億元規模に発展した機械設備、新建材、自動車・部品産業、グローバルスタンダードな流通機構、良好な投資環境と一貫したサービスなどを特徴としてあげている。

 とくに繊維産業は県の首都を中心に1万を超える企業が半径50キロ以内に集まり、年1,300億元(1兆7,000億円)を売り上げる。全国の7分の1、プリント生地生産では3分の1を占める。

 アジア最大の繊維製品専門市場「中国軽紡城」(面積326平方メートル)では、1万3,000余の店舗があり、1日延べ10万人の来客を数え、08年に634億元を成約した。

 教育レベルが高く、紹興文理大、越秀外国語学院などに3万人が在学。

 給与水準はワーカー月1万1,200ー1万6,800円、技術者2万1,000ー4万2,000円、管理者2万8,000-7万円。

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