2009年11月13日
三井化学、新株公募・増資 642億円調達 成長戦略推進へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は13日、新株発行・増資によって大型資金を調達し、中国Sinopecとの合弁事業や三井グループ内の成長分野への投資に充てると発表した。公募と株式売り出しに伴う第三者割当増資により、最大2億3000万株を発行する。現在の発行済み株式数の約30%に相当する大規模なもので、調達資金は合わせて642億9,200万円(上限)となる。
 
 同社はまず、先行きが依然不透明な事業環境を踏まえて「新たな成長戦略」と「事業基盤強化策」を策定した。成長戦略では(1)競争優位事業のグローバルな拡大(2)高付加価値事業の拡大(3)地球環境と調和する新事業創出、の3つを基本戦略の柱にかかげ推進する。事業基盤の強化では国内設備の統廃合など一層の競争力強化を図る。そのためにも財務基盤を強化する。
 
■新株発行と株式の売出し
 ・公募による新株式の発行(一般募集) :普通株式2億株、海外投資家向け600万株、合わせて2億600万株を募集する。野村證券を主幹事会社とする。払込金額の決定は09年11月24日〜27日、払込期日は12月1〜4日までのいずれかの日。株数単位1000株。
 ・株式売り出し(オーバーアロットメント) :一般募集状況を見た上で、2400万株を上限に売り出す。株数単位1,000株。
 ・第三者割当による新株発行 :普通株式2400万株を発行。申込み期日は09年12月15〜18日のいずれかの日。株数単位1,000株。
 
<調達資金の使途>
 
 調達資金(約642億円)のうち60億円は、上海中石化三井化工が計画中のフェノール、アセトン事業化や今年12月に華南地区仏山市に設立するポリウレタン新会社等への投融資資金に充てる。残りは設備投資資金に充当する。

■三井化学グループの設備投資計画

◇機能材料  αーオレフィンコポリマー設備の増強、液状ポリオレフィンオリゴマー設備の増強、超高分子量ポリエチレン設備の増強、ウレタンフォーム原料製造設備の増強、太陽電池封止シート製造設備の増強など。投資総額=48,000百万円(既支払額=9,334百万円)

◇先端化学品 リチウムイオン電池用電解液製造設備の増強など。投資総額=8,000百万円(既支払額=1,327百万円)

◇基礎化学品 1−ヘキセン製造設備の新設、メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン製造設備の増強、ポリプロピレンコンパウンド設備の増強、その他。投資総額=41,000百万円(既支払額=8,001百万円)


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1258098396.pdf