2009年11月16日
新日鐵化・岩谷産業 ナノサイズ「ニッケル微粒子」事業化へ
大阪大学が開発 「マイクロ波を用いた新規プロセス」
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:新日鐵化学、岩谷産業

 大阪大学大学院工学研究科(新日鐵化学研究講座)、新日鐵化学、岩谷産業の3者は16日、同大学が開発した「マイクロ波を用いたニッケル微粒子製造プロセス」を応用し、ナノサイズ(1ナノ=10億分の1)のニッケル微粒子を事業化すると発表した。
 
 新日鐵化学が製造、岩谷産業が販売を担当する。
 
 新日鐵化学は現在、九州製造所内のマイクロ波実験室に月産能力数キロの設備をもっている。来年央には数十キロ規模に拡大したい意向である。

 マイクロ波は、電子レンジに実例があるが、これによる加熱は通常の加熱と異なり、被加熱物の分子を内部から均一・急速加熱できる特徴がある。

 今回の事業化への取り組みは、大阪大学が開発したマイクロ波の新たな制御技術による「ナノレベルのニッケル微粒子の製造」プロセスが技術上の根幹(シーズ)となった。
 
 同技術により、粒子サイズが100ナノメートル以下とシャープな粒度分布を持つニッケル微粒子を製造することが可能となった。

 研究グループは実験室レベルでの生産量からスケールアップを行い、このほど中量生産体制の確立に成功した。用途としては電子部品の電極などを検討している。

 サンプルは、20ナノメートルと60ナノメートルの2種類。今後の評価結果をみて、さらなる生産能力の増強と本格的な事業化を進めていく方針である。販売想定価格は1キログラム当たり約3万円。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1258337510.pdf