2009年11月19日
石化協「ナフサ非課税の原則」要求し緊急決議
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:石油化学工業協会

 石油化学工業協会は19日、政府税制調査会内に租税特別措置の見直しの一環として、現在認められているナフサ等石油化学原料の免税に手を加えようとする動きがあるとして「重大な懸念」を表明するとともに「非課税の原則が貫かれるよう強く要求する」との緊急決議を発表した。決議内容(全文)は以下の通り。

(1)工業原料の非課税原則は世界の常識

 およそ工業原料の非課税原則は世界の常識であり、とりわけ資源に乏しいわが国は原料を安価に調達してこれを加工して生きていくことが極めて重要である。石油化学もその例外ではなく、世界を見渡しても原料用ナフサ等に課税している国はない。

(2)世界に類のない石化原料課税は産業存立基盤を破壊
 石油化学工業は下流部門を含めると出荷額30兆円、雇用者73万人、中小企業2万社を擁するわが国の重要な産業であり、上流部門はコンビナートを形成して地域経済の核をなしている。たださえ中東産油国の石油化学設備増強などにより厳しい競争にさらされているこの重要産業の存立基盤をさらに脅かすような施策を政府が講ずるとは信じ難い。

(3)ナフサ等の課税は国民生活にも大きな影響
 消費者の視点から考えても、石油化学製品は各種容器、食品包装、断熱材などから電気製品や自動車の部品に至るまで材料として広汎に用いられており、課税に伴う価格上昇は国民生活に大きな影響を与えるおそれがある。

(4)民主党の政策一貫性を期待
 昨年租税特別措置法が期限切れを迎えた時、野党であった民主党は租特法の延長には反対しつつも国民生活に多大な影響のある7 項目を同法の中から特に選んで免税措置を延長する法案を参議院に提出した。この7項目の1つがナフサ等の石油石炭税免税であり、国民生活上期限切れにすることは出来ないとの判断であった。民主党の主張の一貫性を期待したい。

 我々は本則で非課税とすべき工業原料用ナフサを便宜的に租税特別措置という形で免税する現行制度を、石油税についてはその創設以来、また揮発油税については石油化学工業の誕生以来、やむを得ず受け入れてきた。これを他の特例的措置と同列に論ずること自体がおかしいが、上述のように原料ナフサの課税は世界の常識に反し、産業、雇用、地域経済の実態を理解しないばかりか、国民生活にも配慮せず、論理的にも一貫しない行為であり、全く受け入れることが出来ない。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1258613861.pdf

参考:ナフサ等の免税措置について
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1258613861.pdf