2001年04月11日
三菱レイヨン、PBTで自動車分野のECU周りへの展開強化
電気電子分野では熱硬化性樹脂代替グレードにも期待
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンは、需要の成長が見込まれる自動車用ECU(電子式制御装置:Electronic Control Unit)分野において、PBT(ポリブチレンテレフタレート)事業の展開を強化していく考えだ。また、電気電子分野では、熱硬化性樹脂代替グレードに期待している。
 PBTの内需は、これまで電気電子分野の部品向けの需要が多かったが、近年は自動車分野の電装部品向けの需要が拡大しており、電気電子分野を上回るようになっている。その中でもこれまでナイロン樹脂などの代替として伸びてきたワイヤーハーネスなどの汎用分野は今後大幅な伸びは期待できないものの、ECU周りは今後も成長が見込まれている。
 ECUは当初、高級車のみに採用されていたが、低燃費化などのニーズの高まりとともに、1,000CCクラスの大衆車まで燃料やエンジンの回転を制御するようになるなど、採用が拡大しており、自動車の生産台数が伸び悩む中でも需要は拡大していく見通しにある。
 これまで三菱レイヨンは電気電子分野を得意としており、自動車分野はやや乗り遅れていた感があったが、今後はECU周りをはじめとした自動車分野で付加価値の高い用途を中心に展開を強化していく方針。
 一方、電気電子分野では、部品メーカーがリサイクルなどの観点から、フェノール樹脂やユリア樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を熱可塑性樹脂に切り替えることを検討し始めている。同社では、耐トラッキング性を高めた新規グレードの展開を進めており、切り替えの動きが大きな流れとなれば、需要の拡大が期待できると見ている。