2001年03月01日
OECDによる既存化学物質の有害性評価が進展
評価完了物質の累計は約180物質に、日本からの提出数も51物質
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:日本化学工業協会

 OECDがかねてから推進しているHPV(高生産量既存化学物質)の有害性評価作業に加速がついてきた。
 日本化学工業協会によると、OECD加盟国の専門家で構成される「SIAM」(化学物質のスクリーニング用情報データセットの評価会議)の第11回会合「SIAM-11」がさる1月23日から26日まで米・フロリダ州オーランドで開催された。今回、各国から提出された有害性評価文書の数は合計27を数え、この結果、93年以降の累計は180物質に達した。日本からは、今回合計7物質の評価文書が提出されたが、そのうち4件が政府機関によるもの、残り3件が日化協加盟企業によるものとなっている。これに伴う累計は51件(51物質)となった。
 これまでの「SIAM」に提出されてきた評価文書は、専ら各国の政府機関が取りまとめたもので占められてきた。今回の「SIAM-11」では、ICCA(国際化学工業協会協議会)傘下の日化協などの会員企業がそれぞれ独自にまとめた評価文書も初めて取り上げられた。この点がこれまでの会合と大きく異なるところ。
 ICCAが今回提出したのは合計11の化学物質のスクリーニング用評価文書。日本は、1-メトキシ-2-プロパノールアセテート、6,6’-ジ-tert-ブチル-2,2’-メチレンジ-p-クレゾール、3,4-ジクロロブテン-1--の計3物質の評価文書を提出した。残りは米国と欧州がそれぞれ4件ずつ分担した。
 「SIAM」の次回の会合は今年6月にパリで、またその次の会合は11月にジュネーブで開催の予定。日化協としては、このうちの「SIAM-13」に6~8件の評価文書を提出したい考え。
 なおICCAでは、日米欧の企業からなる国際コンソーシアム方式で評価を進めており、各コンソーシアムのリード企業が評価文書をとりまとめることにしている。2004年末までにHPV1,000物質について有害性評価を終えることにしている。